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4月。とある高層ビルの会議室。

 

「採用期間は早ければ、早いほど、学生を獲得しやすい」

 

ザ・サラリーマンといった感じの男が熱弁を奮っている。

 

その隅で、この場には似つかわしくない、今風の30代半ばの男が愚痴をこぼしている。

 

「なんで、俺も出席しなきゃいけないんすか。」

 

「いいじゃないか。何事も勉強だよ。」

 

ナイスミドルが、今風の男をなだめる。その貫禄の前では、今風の男は、新入社員にしか見えない。

 

「マジ、ハメられたわ。前回の宴席の時も・・・」

 

そうヒートアップした所で、ザ・サラリーマンの視線が、今風の男に向かった。

 

「中田。君はどう思う?」

 

ナイスミドルが笑う。

 

「ちょ、上川さん。笑い事じゃないですよ。」

 

「質問しているのは、上川さんじゃない。私ですよ。」

 

「分かってますよ、西澤さん。」

 

中田が渋々と答える。

 

「新入社員採用試験を早く開始したって、どうせ意味ないですよ。」

 

会議を無力化するような発言に、管理職たちがザワめくが、上川だけは優しい表情で、下を向いて聞いている。

 

「だって、考えても見てください。今年の人気企業ランキング見ましたか?ウチみたいな、新興企業は入っていない。というよりも、ホテル業界は3Kだ、なんて言われていますからね。飲食業界がブラック企業として、取り上げられているのもダメージっすね。」

 

その冷静な分析を予想していたかのように、上川は頷く。ザワついていた管理職たちも静まり、いつしか、中田のプレゼンテーションの場となっていた。

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厚生労働省が、ブラック企業の実態把握と問題解決につなげるため、91日限定で無料の電話相談を設けた。すると、1042件にも上る問い合わせがあったという。ブラック企業が、如何に社会の根深い問題となっているかが如実に表れた。

そんなブラック企業問題を解決するため、多くの識者が様々な媒体で論説を発表している。そのなかに、消費者側にも責任があるのでは?という内容があった。曰く、「経営者が従業員の労働力を搾取して、死に追い込む程の事をしなければ採算が取れないと考える程のサービスや商品を、顧客が求めてしまっている事に「も」原因があるのではないか」というものだ。

しかし、『ブラック企業大賞2013』に選ばれたワタミと王将に限って話をすれば、消費者側に問題は感じない。

というのも、ワタミ王将のドリンクメニュー、ビールなどアルコール類の価格帯は400円から500円。フードメニューも500円前後の価格帯が多い。飲食業界内には、ビールやハイボールを180円で提供している店や、フードを280円均一にしている店もある。ワタミも均一居酒屋を展開してはいるが、多くは先述した価格帯の店舗である。

つまり、ワタミや王将は、非現実的な価格で商品を提供しているわけではない。飲食業界内の適正な価格で店舗を運営している。二社がブラック企業と批判されるのは、純利益を上げているのにもかかわらず、正社員に劣悪な労働環境を強いているから。対顧客ではなく、社内での問題である。

 

■消費者の問題とは?

だが一方で、消費者側に問題があると感じる部分もある。それは、未だ根強い「お客様は神様」理論だ。

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ワタミ株式会社創業者である渡邉美樹氏が、参議院への出馬を表明してから、ブラック企業という言葉が世間に浸透し始めた。当然ながらブラック企業は急に増えたわけではなく、今までも存在していた。だが、何事もそうだが、メディアがフォーカスしなければ、社会問題にはならない。皮肉にも、ブラック企業と言われるワタミの渡邉氏が選挙に出馬することで、ブラック企業が取り上げられることになった格好だ。

そんな世論に対し、渡邉氏は不満を持っている。ワタミは飲食業の平均年収を上回っており、印象で語らないで欲しいという。とは言え、女性従業員の過労自殺などの問題があるのも事実で、これらの件に関する発言こそ、ブラック企業と言われる経営者に共通する感覚だと思う。

 

■ブラック企業経営者の共通点とは

飲食店でブラック企業といわれる経営者たちの大半が、苦しい下積み時代を経験している。たとえば、アルバイトからスタートし、店長を経て、創業する。自身に厳しいノルマを課し、成功を掴み取っている。

この一見美しいストーリーが、一般社員との齟齬が生まれる原因となることが多い。

創業者は、働けば働いただけ、自分の利益となる。販売管理費200万円の店で、300万円の売上が出れば、100万円の利益を手に出来る。一方で、一般社員は、100万円の純利益を出しても、ボーナスとして返ってくるとは限らない。というよりも、ワタミの純利益から店長の年収を考察しても、還元されていないのは明白だ。

もちろん、経営側にはリスクがあるという言い分があるはず。創業者はハイリスクハイリターンであり、一般社員はローリスクローリターンという具合に。

つまり逆説的に言えば、一般社員はローリスクローリターンであるべきなのだが、ブラック企業経営者は、そんな一般社員にも自分と同じ、ハイリスクな感覚を求めてしまう。

渡邉氏の言葉を見ても、おそらく自身がそれを体言してきたのだと思う。そんな渡邉氏をみて、多くのスタッフがついてきたからこそ、会社は大きくなった。創業メンバーからすれば「無理というから無理になる」「ビルから飛び降りろ」というのも、彼ら自身がそれくらいの気持ちで仕事をしてきたからこそ、違和感を覚えないのだろう。

だが、会社が大きくなれば、彼らのように仕事が人生ではなく、人生の中に仕事があるという社員だって生まれる。というよりも、それがローリスクローリターンの働き方だと思う。さらに、社内に『2-6-2の法則』も生まれる。

にもかかわらず、全従業員に創業メンバー同様のハードワークを求めるから、ブラック企業と呼ばれるというのを理解すべきだ。続きを読む

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